この改造は同じクランクケースを使用するMBX50、NSR50、NS-1、CRM50にも当てはまります。
容量アップで直に思い付くのが上位機種の流用です。ご存知の様にNSR50の兄弟車にNSR80が在ります。NSR50が3枚クラッチ、NSR80
が4枚クラッチでそのまま流用出来ます。
この4枚クラッチは、各パーツメーカーから販売されているクラッチ容量アップキットと同じ物です。NSR80用のクラッチセンターと、追加する
ディスク、プレート各1枚とクランクケースパッキンが必要です。
TLM50やNSR50の場合
パワーアップするに従ってクラッチの強化が必要になってきます。
非力なTLM50でトライアルやトレッキングをする場合、
第2のアクセルとして、指一本で常時操作しなければなりませんので、
ロードモデルのように強化スプリングを入れる訳にはいきません。
スタンダードと変わらないタッチで、滑らないクラッチを手に入れましょう。
4枚クラッチ パーツ番号
★22121-GT5-000 クラッチセンター
★22201-GF6-000 クラッチフリクションディスク
★22311-107-000 クラッチプレート
★11393-GAA-000 R.クランクケースカバーガスケット

以上の4点です。現在使用中のフリクションディスクが滑り気味で有れば、フリクションディスクを4枚とも新
品に交換しましょう。
また、4枚ともフリクションディスクを交換するので有れば、摩擦係数が高く滑りにくいと言われる、CR80の
フリクションディスクを入れた方が良いかも知れません。
★22201-GS2-000 クラッチフリクションディスク(CR80用)


プレートもCR80用を流用出来ます。左がCR80用で右がTLMやNSRの物です。
写真では解りませんが、CR80用にはオイル溜まりの小さな穴が有りません。ツルツルです。放置した場合
張り付きを起こしやすくなりますが、滑りにくいのはこちらでしょう。
使用は各自の判断でお願いします。私は勿論ツルツルです。
★22311-KN4-680 クラッチプレート(CR80用)
このようになってます。
解りやすいように並べてみました。左がNSR80用右がTLM50/NSR50用です。
クラッチセンターの幅が違うだけ、その他の部品は共通です。溝の部分の幅が広くなった分、クラッチディス
ク4枚とクラッチプレート3枚が入るようになってます。
CR80のクラッチディスクとクラッチプレートが流用出来るのなら、そのままCR80のクラッチを付けちゃえば。
と思いパーツを取り寄せました。
CR80はHRCのモトクロッサー、80ccとは思えぬパワーが有ります。古い空冷のCR80でTLM200と同じくら
いに感じました。その強大なパワーを受け止める5枚クラッチ。悪かろう筈が有りません。


5枚クラッチ パーツ番号

★22121-GS2-000 クラッチセンター
★22350-GS2-000 クラッチプレッシャープレート
★22201-GS2-000 クラッチフリクションディスク ×5
★22311-KN4-680 クラッチプレート ×4
★11393-GAA-000 R.クランクケースカバーガスケット
しかーし、そのままでは組めません。
出っ張ってる部分を削らなければなりません。(画像は加工後のものです) 此処は鋼ですので、当然ヤスリ
は無理。加工屋さんを捜し旋盤で削って貰いました。2mm程(正確には忘れてしまいました。きっちり5枚が
入るように計って加工してもらいましょう)削って貰ったのですが、あっと言う間でした。何時もヤスリでギコギ
コやってるのが馬鹿らしくなります。
削らずに入れるとこの様になります。
ワッシャーを入れて大袈裟に再現した物ですが、5枚目のディスクが入りきりません。このまま無理やり組む
と、常に半クラ状態で繋がりませんので、あっと言う間にクラッチディスクが焼けるでしょうね。危ない危ない。
削って入れればこの通り。バッチリです。
後はスタンダードと同じくマニュアル通りに組めば完成です。
TLMはトライアル車ですので、スタンダードのスプリングを使用して軽いタッチにしてますが、NSR等のロード
モデルで少し重くなっても構わない方は、スプリングもCR80用を使用して下さい。更に繋がりが良くなります。

★22401-GC4-640 クラッチスプリング ×4
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